業務中に指を切断した際に受けられる補償と必要な申請について
業務中の指切断事故は、労働災害の中でも比較的割合の高い事故です。実際に指を切断してしまったが「会社からは何も指示が出ていない」「どのような申請をすれば良いか分からない」「どのような補償が受けられるのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような方に是非一読していただきたいコラムとなっております。
指切断の事故が労災認定されるまでの流れ
業務中に指を切断してしまった場合、企業が加入している労災保険より労災保険給付を申請することになります。まずは申請の流れをお伝えいたします。
労災認定の要件
はじめに、労災が認められるかどうかに関して、労災の認定がされる要件に「業務遂行性」、「業務起因性」というものがあります。
【業務遂行性】
業務遂行性とは、労働者が企業との労働契約に基づき、事業主の支配下・管理下にある状態で事故が発生したかということです。簡潔に言うと、「業務中」に発生した事故であるかどうかということです。工場での作業中に発生した場合は、容易に認定される可能性が高いです。
【業務起因性】
業務起因性とは、上記の業務遂行性が認められるという条件のもと、業務と負傷の間に因果関係があるかということです。こちらも工場での作業中に発生した場合は容易に認められる可能性が高いのですが、業務外の行為や規律に違反する行為による事故の場合は認められないことになります。
労働基準監督署へ給付申請を行う
請求する給付内容に応じて労働基準監督署等へ給付申請を行います。詳しい給付申請の内容については、以下のページで解説しておりますのでご参考ください。
指を切断してしまった場合の後遺障害等級
後遺障害が残ってしまった場合の労災給付
指を切断した場合は程度に応じた後遺障害が認定されます。後遺障害の等級は1級から14級まであり、1~7級の場合は障害補償年金・障害特別年金・障害特別支給金が給付され、8級以下の場合は障害補償一時金・障害特別一時金・障害特別支給金が下表の内容にて給付されます。
手指、足指を切断してしまった場合のそれぞれの後遺障害等級
各等級には認定範囲が定められています。以下の表が手指を切断してしまった場合、足指を切断してしまった場合の等級に絞った等級になります。
【手指を切断してしまった場合】
【足指を切断してしまった場合】
後遺障害給付以外に請求可能な補償給付
後遺障害補償給付の他に、以下の給付を労災保険に請求することが可能です。
【療養補償給付】
治療に必要な費用の補償です。手術費・治療費・入院費等に対する補償を指します。
【休業補償給付】
休業を余儀なくされた場合に、休業期間にもらえるはずであった賃金等に対する補償です。
【傷病補償年金】
療養の開始後1年6ヶ月を経過した日又はその日以後に次の要件に該当するときに支給されるものです。
①ケガや病気が治っていないこと
②傷病等級第3級以上の傷病に該当すること
※なお、指の切断に関しては両手指全て喪失した場合に限り、支給されることになります。
指の切断に関する会社に対する損害賠償請求
労災保険給付は、損害の全てを補填するものではありません。労災保険給付で補填できない損害については、企業に対して損害賠償請求をすることになります。そうすることで労働災害による損害の全てが賠償の対象になります。
損害賠償が認められるには、企業に対して「使用者責任」又は「安全配慮義務違反」が認められることが必要になります。実際に損害賠償請求を行う際には、企業と「交渉」や「訴訟」を行うことになりますので、弁護士の存在が必要不可欠となります。当事務所には豊富な解決実績がありますので、お困りの際は是非一度ご相談ください。
業務中に指を切断してしまった場合に弁護士へ依頼すべき理由
上記で触れた損害賠償請求において、企業が過失を認めないことは多々あります。その際に、企業側の過失を証明するための証拠を集めたり、適切な事実関係を把握する必要があります。更に、企業と個人の間には基本的には圧倒的なリソースの差があります。そこで、弁護士に依頼することで、その差を埋めることが可能となり対等な立場で要求を訴えることが可能となります。
労災事故発生直後の対応に不備がある場合、本来は認められる企業側の過失が証明できなってしまい、適切な賠償を受けられなくなってしまうケースもあります。もし、業務中に事故が発生した場合は早急に弁護士へご相談されることを強くお勧めいたします。
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